「ナンピンやマーチンゲールって、プロップファームで使えるの?」
これは多くのトレーダーが気にするポイントです。結論からいうと、ファームによって「全面禁止」「条件付きOK」「解禁済み」と対応がバラバラです。
この記事では主要5社のルールを業者別に整理し、さらに「ルール上OKでも、なぜナンピンは失格リスクが高いのか」という本質的な問題も解説します。
まず整理:「ナンピン」と「マーチンゲール」は別物
この2つは混同されがちですが、プロップファームのルール上では区別されることがあります。
| 手法 | 内容 | ロットの増減 | プロップ上の扱い |
|---|---|---|---|
| ナンピン(同一ロット) | 含み損中に同じ銘柄・同方向へ同量で追加エントリー | ロット変わらず | 多くのファームでOK(条件あり) |
| ナンピン(ロット増加) | 含み損中に最初より大きいロットで追加エントリー | ロット増加 | 多くのファームで禁止 |
| マーチンゲール(純粋) | 負けるたびにロットを倍増させて損失を取り戻す手法 | 倍々にロット増加 | ほぼ全ファームで禁止 |
| 決済後マーチンゲール | 損切りして決済後、次のトレードでロットを増やす | 別トレードでロット増加 | 多くのファームでOK |
💡 ポイント:「含み損中に同じ銘柄で追加するかどうか」が判定の核心
プロップファームが問題視するのは主に「含み損を抱えたまま、同銘柄・同方向へロットを増やして積み上げる行為」です。一度損切りして決済してからロットを変えて再エントリーするのは、多くのファームで問題ありません。
業者別ナンピン・マーチンゲール可否まとめ(2026年5月時点)
| 業者 | ナンピン(同量) | ナンピン(ロット増) | マーチンゲール | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| Fintokei | ✓ OK | ✓ OK(解禁済み) | △ 過度はNG | 2025年7月28日に制限撤廃。「過度に積極的な価格の平均化」は警告対象 |
| FTMO | △ 条件付き | ✗ 原則禁止 | ✗ 禁止 | 「マーチンゲールと疑われる大幅ロット増加は避けるよう」公式が注意喚起 |
| Funded7 | ✓ OK(同量) | ✗ 禁止 | ✗ 禁止 | 「同ロット以下での再エントリーはOK」と公式が明記 |
| Blueberry Funded | △ 条件付き | ✗ 禁止 | ✗ 禁止 | ポジションスタッキングも旧ルールでは禁止(2026年3月12日以降購入分は一部緩和) |
| Funded Elite | △ 要確認 | ✗ 要確認 | ✗ 禁止 | ※公式サイトで要確認 |
※ すべて公式サイトで要確認。ルールは随時変更されます。
業者別:詳細ルール解説
2025年7月28日のアップデートでマーチンゲール制限が撤廃されました。以前は「含み損中の同銘柄ロット増加禁止」という厳格なルールがありましたが、現在はナンピン・マーチンゲールが実質的に自由化されています。
✓ OKな取引
- 同量・増量どちらのナンピンも原則OK
- 含み損中の同銘柄追加エントリー
- マーチンゲール的なロット増加
- 決済後にロットを変えた再エントリー
✗ 注意が必要な行動
- 「過度に積極的な価格の平均化」(警告対象)
- 累積取引量の50%超がマーチンゲール判定→即失格
- 10秒未満のティックスキャルピング
- ギャンブル的なオールイン取引
⚠️ 「解禁」でも無制限ではない
制限は撤廃されましたが、「過度に積極的な価格の平均化」に該当すると警告が発生します。累積取引量の10%超でマーチンゲール判定された場合は警告→翌日以降も継続で失格。50%超なら警告なし即失格です。「やりすぎ」には注意が必要です。※公式サイトで要確認
FTMOはマーチンゲール手法の使用を禁止しています。公式も「マーチンゲールと疑われる大幅なロット増加は避けてほしい」と注意を促しています。
✓ OKな取引
- 一度決済してからロットを変えた再エントリー
- 同量での含み損中ナンピン(グレーゾーンあり)
- 異なる銘柄でのポジション追加
✗ NGな取引
- 負けるたびにロットを倍増させるマーチンゲール
- 含み損中に大幅ロット増加でのナンピン
- マーチンゲールと認定されるEAの使用
Funded7は「マーチンゲール取引(ロット数を増やすナンピン)」を明確に禁止しています。一方で、同量での追加エントリーはOKと公式が明記しています。
✓ OKな取引
- 同量以下のロットでの追加エントリー(例:1lot→1lot)
- 一定間隔(10pips・時間間隔あり)でのナンピン
- 決済後にロットを変えた再エントリー
✗ NGな取引
- ロット増加型ナンピン(例:1lot→2lot→4lot)
- 含み損中の同銘柄への大幅ロット追加
- マーチンゲールロジックのEA使用
- オールイン・過度なレバレッジ集中
⚠️ OREFストライク制:マーチンゲール違反は3回で失格
2026年1月導入のOREFルールでは、マーチンゲール違反は即失格ではなく、違反トレードの利益削除+ストライク1回となります。ただし累積3回のストライクで失格。繰り返せば確実に失格になります。
Blueberry Fundedはマーチンゲールを厳格に禁止しており、「マーチンゲールで失格になっている人が多い」と複数の情報源が指摘しています。
✓ OKな取引
- 同一口座内でのヘッジ(ロング&ショート)
- 異なる銘柄への分散エントリー
- 2026年3月12日以降購入分:ポジションスタッキング緩和
✗ NGな取引
- 損失後にロット増加させるマーチンゲール
- 含み損中の同銘柄・同方向への大量追加
- グリッド取引(一定間隔の大量エントリー)
- ストップロスなしのオールイン
「使える」でも危険:ナンピンと日次DDの相性が最悪な理由
ルール上OKだとしても、ナンピンはプロップファームの日次ドローダウン(DD)ルールと根本的に相性が悪いです。具体例で確認してみましょう。
📊 シミュレーション:1,000万円口座・日次DD5%(失格ライン950万円)でナンピンした場合
→ 含み損30pipsで口座の有効証拠金 −3万円(問題なし)
→ ポジション合計2ロット・含み損50pipsで −10万円(有効証拠金990万円)
→ ポジション合計3ロット・含み損が膨らみ −20万円(有効証拠金980万円)
→ 3ロットに対して50pipsの損失 = −約150万円
→ 有効証拠金が830万円に急落→ 日次DD失格ライン950万円を大幅に割り込んで即失格
※ 1ロット=10万通貨として計算した参考値です。実際の数値はレバレッジ・証拠金設定によって異なります。
ナンピンでポジションを積み上げるほど、少しの逆行で有効証拠金が急落します。ナンピンが「含み損が膨らむことを前提とした手法」である以上、有効証拠金ベースの日次DDとは根本的に相性が悪いのです。
🚨 失格パターンで最も多いのは「ナンピン中の急落」
「少しずつナンピンしていたら急なニュースで一気に逆行して失格になった」というのは、プロップファームで最もよく聞くパターンのひとつです。ナンピンは相場が戻れば利益が大きくなる反面、一方向に突き抜けると損失がポジション数に比例して膨らみます。日次DD5%という制限の中では、このリスクは非常に大きいです。
どうしてもナンピンを使いたい場合の安全なアプローチ
ナンピンを完全に封印しなくても、以下のルールを守ればリスクは大幅に下げられます。
✓ 比較的安全なナンピンの条件
- 最初のエントリーロットを口座の0.5〜1%リスクに抑える
- ナンピン回数の上限を2〜3回と事前に決める
- ナンピン込みの合計損失が日次DDの50%以内に収まるよう設計する
- 含み損ポジションを増やしたら必ずストップロスを入れ直す
- 損切りラインを明確に決めてから入る(「含み損が〇〇円になったら全決済」など)
→ ナンピンを避けるべき状況
- 重要経済指標の発表前後(急落リスク大)
- すでにその日の日次DDを30〜40%使用している
- ポジションを持ち越す予定がある(翌朝に急変する可能性)
- ロット増加型ナンピンを検討しているとき
- 「損を取り戻したい」という感情的な判断のとき
💡 「最初のポジションを小さくする」が最重要
ナンピンをする場合、最初のエントリーを通常より小さくすることが絶対条件です。最初から大きなロットを入れてしまうと、ナンピン回数を重ねるにつれて日次DD上限にすぐ到達してしまいます。「最初の1ロット→ナンピン2ロット合計」の設計では1回の逆行で一気に失格ラインに達することがあります。
よくある質問
まとめ
各社のナンピン・マーチンゲールルールを改めて整理します。
- Fintokei:2025年7月に実質解禁。ただし過度な積み上げは警告対象
- FTMO:マーチンゲール禁止。ロット大幅増加は要注意
- Funded7:同量ナンピンOK・ロット増加禁止。違反はストライク制
- Blueberry Funded:マーチンゲール厳格禁止。失格者が多いため特に注意
最も重要なのは、ルール上OKでも日次DDとの相性の悪さを理解しておくことです。ナンピンはポジションが増えるほど急落時の損失が倍増するため、少しの逆行で日次DD失格ラインに達するリスクがあります。使う場合は最初のロットを極小に設計したうえで、計画的に行いましょう。



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